世界遺産

宗像大社,神宝館

訪問日,2019年02月22日

宗像観光スポット神宝館をご紹介します。

神宝館は昭和29年~昭和46年までの3次にわたる沖ノ島の発掘調査を受けて、昭和55年(1980)に竣工した鉄筋コンクリート3階建ての博物館です。「沖ノ島神宝(8万点の国宝)」を中心に、宗像大社に長年伝承されてきた重要文化財など、由緒に関わる「社伝神宝(しゃでんしんぽう)」を収蔵展示しています。

概説

4世紀後半、高句麗の南進により大和朝廷が百済と通交を開始すると、宗像の人々とその信仰の重要性が高まり、沖ノ島で国家祭祀が始まった。朝廷は宗像三女神の時に最高の品をささげて国家鎮護を祈ったのである。

その後、国家祭祀の跡と奉献品は沖ノ島の禁忌により守られてきたが、昭和29年(1954)からの3次学術調査により、永い時を経て世に再び姿を現した。

島の中腹に鎮座する宗像大社沖津宮社殿の北側に広がる巨岩群から、23か所の大規模な国家祭祀に関わる遺跡と約8万点の豪華な奉献品が発見されたのである。

その数と内容の豊富さ、個々がもつ希少価値などから沖ノ島は「海の正倉院」と讃えられている。

沖ノ島神宝は大きく分類すると「鏡」「玉類」「武器」「馬具」「滑石製形代」「土器」他に分けられる。

神宝館に展示されている鏡

古代の日本では、鏡は権威の象徴とされている一方で、特別な力を発揮する聖なる神器として祭祀で不可欠なものであった。沖ノ島では71面もの鏡が出土しており、祭祀に大和朝廷が直接関与していたことを物語る。

三角縁四神文帯二神二獣鏡(さんかくぶち,ししん,もんたい,にしん,にじゅうきょう)

古墳時代,3世紀,18号遺跡出土

鳥文縁方格規矩鏡(ちょうもんぶち,ほうかく,きくきょう)

古墳時代,4~5世紀,17号遺跡出土

内行八花文鏡(ないこうはち,かもんきょう)

古墳時代,4~5世紀,19号遺跡出土

鼉竜鏡(だりゅうきょう)

古墳時代,4~5世紀,17号遺跡出土

神宝館に展示されている玉類

装身具とされる玉は特別な力を持つと信じられ、祭祀で重要な物であった。

沖ノ島へ奉献された玉は、「勾玉(まがだま)」「管玉(くだたま)」「丸玉」「小玉」「棗玉(なつめだま)」「切子玉(きりこだま)」などなど。

材質は、「硬玉こうぎょく(翡翠ひすい)」「碧玉(へきぎょく)」「ガラス」「水晶」「滑石(かっせき)」などなど。

遺跡での出土状況などからネックレスの状態にして祭祀の際に鏡とともに榊の木につるされたとみられている。

硬玉(こうぎょく)・碧玉(へきぎょく)・水晶・雲母片岩(うんもへんがん)・滑石製勾玉(かっせきせい,まがたま)、滑石製棗玉(かっせきせい,なつめだま)、滑石製臼玉(かっせきせい,うすだま)、碧玉・滑石製管玉(かっせきせい,くだたま)

古墳時代,4~5世紀,19号遺跡出土

ガラス製玉類,滑石製臼玉(かっせきせい,うすだま),真珠玉

古墳時代,6~7世紀,7号遺跡出土

滑石製子持勾玉(かっせきせい,こもち,まがたま)

古墳時代,5~6世紀,4号・8号・21号遺跡出土

カットグラス碗片

イラクまたはイラン・ササン朝時代,6世紀,8号遺跡出土

イラン北部、ギーラーン地方を中心に同巧品が出土しており、ササン朝ペルシアから伝来したササン・グラスとみられている。

有孔貝製品(ゆうこうかいせいひん)

古墳時代,6~7世紀,9号遺跡出土

唐三彩長頸瓶片(とうさんさい,ちょうけい,へいへん)

中国・唐時代,7世紀,5号遺跡出土

白い素地の上に緑、白、褐色の釉薬(うわぐすり)がかけられた小片二十三点は、中国唐時代の彩色豊かな鉛釉陶器(えんゆうとうき)、唐三彩の断片である。

奈良三彩小壺(なら,さんさい,こつぼ)

奈良時代,8世紀,1号遺跡出土

奈良時代の複数色を用いた多彩釉陶器(たさいゆう,とうき)を奈良三彩という。

当時、朝鮮半島南部の影響の下に製作していた緑釉陶器(りょくゆう,うき)の技術に、中国の唐三彩の技術が加わり誕生した。

神宝館に展示されている武器

沖ノ島の武器には、鉄剣、鉄刀、鉄鏃(てつぞく)、鉄矛、鉄槍がある。

これらは戦いや狩猟の道具の意味はなく、神への奉献品として用意された。

鉄剣,鉄刀,鉄地銀張はばき

古墳時代,6世紀,4号・7号遺跡出土

鉄芯銀張捩り環頭(てっしん,ぎんばり,かんとう)、水晶製切子玉(すいしょうせい,きりこだま)、三輪玉(みわだま)

古墳時代,6世紀,7号遺跡出土

鉄矛(てつほこ)、金銅製矛鞘(こんどうせい,ほこさや)

古墳時代,6~7世紀,8号遺跡出土

神宝館に展示されている馬具

沖ノ島では古墳時代後期から馬具が奉献された。それらは乗馬用の器具(鞍・轡くつわ)と馬の装飾品(杏葉ぎょうよう・辻金具つじかなぐ・雲珠うず)で、金銅製が多く、いずれも意匠をこらし装飾性が極めて高い。

金銅製棘葉形杏葉(こんどうせい,きょくようがた,ぎょうよう)

古墳時代,6~7世紀,7号遺跡出土

鞍から馬の胸部や尻部に伸びる革帯(胸繋むながい・尻繋しりがい)に下げた飾り金具。

金銅製心葉形杏葉(こんどうせい,しんよう,ぎょうよう)

古墳時代,6~7世紀,7号遺跡出土

鞍から馬の胸部や尻部に伸びる革帯(胸繋むながい・尻繋しりがい)に下げた飾り金具。

金銅製歩揺付雲珠(こんどうせい,ほようつき,うず)

古墳時代,6~7世紀,心棒先端~台座底・8号遺跡出土

辻金具の一種で、馬の鞍の後輪(しずわ)から尻部に伸びた革帯(尻繋しりがい)が交差する部分(辻)につける飾り金具。

神宝館に展示されている滑石製形代(かっせきせい,かたしろ)

柔らかい滑石で人や馬、船をかたどった人形(ひとがた)・馬形(うまがた)・舟形(ふながた)を滑石製形代と言います。

古墳時代の祭祀の奉献品に滑石製模造品(玉・鏡・武器・農耕具などをかたどったもの)があるが、当時、人形・馬形などを奉納する風習はないため、滑石製形代は律令時代になる頃(7世紀後半)に再編成されて新たに登場した祭祀品とされる。

滑石製人形(かっせきせい,ひとがた)・舟形(ふながた)

奈良~平安時代,8~9世紀,人形・1号・3号・4号遺跡出土,舟形・1号・4号遺跡出土

8世紀以降の沖ノ島祭祀で主体となった奉献品である。人体を正面からかたどった人形は、本来、海神に対する最も重要な奉献品。

滑石製馬形(かっせきせい,うまがた)

奈良~平安時代,8~9世紀,1号・4号遺跡出土

神が降臨する際の乗り物とされる馬、それを横向きからかたどったものが馬形である。人形とともに、神を和ませる意味合いを持つ。

土器

沖ノ島への土器の奉献は5世紀の土師器(はじき)にさかのぼる。始めは僅かであるが、のちに須恵器が加わると数が増えて、7世紀以降は奉献品に土器が占める割合が多くなり、沖ノ島特有の装飾や仕上がりをもつ器を一括で奉納した。

神宝館に展示されているその他の国宝

金製指輪

神宝館に入って一発目に目に飛び込んで来る金製指輪。

厳重に保管されたガラス張りのショーケースに入っており、あたり一面真っ暗にされ、金製指輪にスポットライトが当たっているため金製指輪がより映えて見えます。

この「金製指輪」を見れただけでも神宝館に来た甲斐があったと思いました。

古墳時代,5~6世紀,7号遺跡出土

金銅製龍頭一対(こんどうせい,りゅうとう,いっつい)

古墳時代,6世紀,5号遺跡出土

鋭い眼、湾曲しながら後ろへ伸びる頭角、先端が大きく開いて鳥のくちばし状に尖った分厚い唇をもつ、迫力のある龍頭一対である。中国の壁画には、竿先に本品と同様の龍頭がつけられ、口元から幡や天蓋を釣り下げる様子が描かれており、用途を知ることが出来る。中国東魏時代の石窟である第二屈の仏がんに彫刻された龍頭と酷似する。

金銅製高機(こんどうせい,たかはた)

奈良~平安時代,8~9世紀,伝沖ノ島出土

沖ノ島御金蔵(おかなぐら)4号遺跡出土と伝わる金銅製のミニチュア織機。

非常に精巧な造りで、部品はほぼ揃っており、組み立てると実際に織り成すことが出来る。

金銅製雛形五弦琴(こんどうせい,ひながた,ごげんきん)

飛鳥時代,7世紀,5号遺跡出土

我が国固有の弦楽器である倭琴のミニチュア品。

祭祀において楽を奏するものを雛形化して幣帛としたものであると言われている。現存する伊勢神宮神宝、とびのおの御琴とも形状が類似しており、律令祭祀の発現と継承を考える上で重要なものとなっている。

金銅製香炉状品(こんどうせい,こうろじょうひん)

伝沖ノ島出土

類例がなく用途不明であったため形状からこの名がある。

土師器壺(はじきつぼ)、須恵器器台(すえき,きだい)・大甕(おおがめ)・長頸壺(ちょうけいご)

飛鳥~奈良時代,7~8世紀,5号遺跡出土

土師器壺は玄界灘式製塩土器。須恵器台の上にのった状態で出土したため、両者はセットとみられる。大甕は遺跡の敷石の上に据え置かれて奉献されていた。

インフォメーション

開館時間

9:00~16:30(入館は16:00まで)【年中無休】

拝観料

  • 一般・・・・・800円
  • 高校生・大学生・・・・・500円
  • 小学生・中学生・・・・・400円

下記の対象となる方は上記より200円割引になります。

20名以上の団体(一括払いに限る)、満65歳以上の方(シルバー手帳等を提示)

下記の対象となる方は無料です。

身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、特定疾患医療受給者証、特定医療費受給者証、先天性血液凝固因子障害等医療受給者証、小児慢性特定疾病医療受給者証等を提示された方。

参考資料

宗像大社神宝目録

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